ソフトバンクIPO、機関投資家の需要が強く国内は2倍、海外は3倍

佐藤 祐(さとう ゆう)です。(@TSUMITATE_NISA

ソフトバンクのIPOは国内の個人投資家へ多くの株を割り当てていましたが、ソフトバンク上場前のブックビル期間中に通信障害が起こったことを発端に、ソフトバンクのIPOは厳しい逆風に遭っています。

日本経済新聞の調査では、ソフトバンクIPOの需要は1,1倍とギリギリ公募割れを避けた形となっており、国内の個人投資家はソフトバンクのIPOを敬遠していることが明白です。

SNSのツイッターでもソフトバンクのIPOを辞退する旨のツイートが多くつぶやかれていることから個人投資家がソフトバンク上場後の初値を押し上げるのは厳しいと思われます。

 

しかし、国内の個人投資家ではない投資家の需要は意外にもあり、もしかしたらソフトバンクの追い風になるかもしれません。



機関投資家の需要が高い

ソフトバンクIPO、機関投資家から強い需要ー海外は3倍

ソフトバンクの新規株式公開(IPO)で、海外機関投資家からの需要が売り出し割当数の3倍以上に達したこと分かった。情報が非公開のため、複数の関係者が匿名で明らかにした。

国内では、組み入れ銘柄を個別に選定するアクティブ運用者を含む機関投資家から割当数の2倍程度の需要があった。ポートフォーリオに組み入れるための需要も生じる可能性があるという。主幹事証券各社は先週、購入希望の申し込みを受けるブックビルディングを実施していた。

主幹事証券のうちの1社によると、売り出し数の9割を占める個人投資家の需要は2倍弱で、全体としては約2倍になった。

ソフトバンクは19日、東京証券取引所1部に新規上場予定。携帯電話の通信障害と世界株急落の中、売り出し価格を仮条件と同じ1500円に決めた。

ソフトバンクと主幹事証券の広報担当者らは、国内外の需要動向についてコメントを控えるとしている。
同社の携帯電話サービスでは6日、全国的に通信障害が発生し、およそ4時間半にわたって続いた。同社と引き受け主幹事は翌日、海外機関投資家向けに電話会議を開催。投資家が需要を申告するブックビルディング期間を6時間延長した。

ブルームバーグの試算によれば、引き受け主幹事には合計で600億円超の手数料が支払われる。野村ホールディングス、ドイツ銀行、JPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックス、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループが取りまとめ役のジョイント・グローバル・コーディネーターを務めた。

出典:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-12-14/PJPNCH6JTSE801

 

機関投資家とは、多額の資金で株式や債券の運用を行う大口投資家のことであり、ほとんどが法人や公的機関です。

生命保険会社や投資銀行、年金基金などの大きな組織が運営しています。

機関投資家は多くの資金を持っており、機関投資家は他の機関投資家と同じ動きをすることが多いので、機関投資家の動きは市場に大きな影響力を持っています。

 

これらの機関投資家がソフトバンクIPOに参加したがっているということはIPOの追い風になると言えそうです。

国内の機関投資家の需要は機関投資家への割り当て数の約2倍の需要があり、海外の機関投資家にいたっては3倍も需要があります。

日本経済新聞の調査では、国内の個人投資家が1,1倍なので、機関投資家の方がソフトバンクのIPOに好意的であることがわかります。

※主幹事証券会社の1つは個人投資家の需要が2倍弱あったとしていることから日本経済新聞の調査は間違っている可能性があります。

 

機関投資家のなかでもヘッジファンドと呼ばれる短期売買のものを除けば、多くの機関投資家は長期投資をメインにしているので、初値で売り抜けることはほとんどないと考えられます。

機関投資家の買いが入ればソフトバンクの株価は安定した動きを見せるのではないかと予想されます。

ソフトバンクのIPOで悲観的になっている人の多くが、初値で売り抜けようとしている人たちなので、長期保有する人にとっては、上場後の値動きは無視して良いはずです。

そもそもIPOは一定のディスカウントされた価格で公募が行なわれるので公募価格が割高であるという考えは正しくありません。

 

東証一部上場のIPOであれば10パーセント程度、それ以外のマザーズなどの証券所に上場する場合には20%から30%ほどが本来の価格からディスカウントされて公募されるので、公募価格が割高であるということは売れないということになります。

ソフトバンクIPOに限って言えば、そもそも値上げ幅で稼ぐようなIPOではないです。

ソフトバンクの配当利回りは5%なので、配当を受けることに着目している人が多いはずです。

初値が悪くてもソフトバンクが売りたたかれる心配はそこまでないと考えられます。

 

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