佐藤 祐(さとう ゆう)です。(@TSUMITATE_NISA)
「結果にコミットする。」がコンセプトのRIZAPグループは2019年3月期の連結業績予想を修正し、最終損益が当初の159億円の黒字から70億円の赤字になることを発表しています。

https://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=2928.S&d=1y
今年の初めには1000円以上だった株価も11月19日には255円まで下げています。
ライザップは「プライベートジム」というマンツーマンで身体を鍛える事業で成功し、CMでも有名人を起用して、知名度を上げてブランド企業となりました。
最近は、本業のジムに加えて、他の業種の企業を次々と買収する経営をしていました。
ライザップの買収は「経営不振の会社を安く買って立て直す」というやり方であり、買収した企業の業績を改善するという結果にコミットするはずでした。
しかし、買収した会社の業績改善は予想よりもうまくいかず、結果にコミットできませんでした。
ライザップでも結果にコミットできないことがあるのです。
目次
負ののれん
ライザップの最終損益が当初の159億円の黒字から70億円の赤字になるという普通ではありえない損益の変わりようは「負ののれん」が原因となっています。
負ののれんとは、買収先の純資産を下回る金額で企業を買収したときの金額差のことを言い、「負ののれん」はRIZAPが採用している国際財務報告基準では、利益として一括計上することができるのです。
日本の会計基準では特別利益として計上されますが、ライザップは去年から国際財務報告基準に会計基準を変更していて、「負ののれん」は本業の儲けを示す営業利益に計上されるようになりました。
つまり、買収によって表面上の数字を良く見せることができ、ライザップの業績がよく見えたのは、買収によってそう見えるようになっていただけということです。
手当たり次第に買収
ライザップが買収した会社には本業とはあまり関係ない会社がいくつもあります。
インテリア雑貨・生活雑貨専門店や女性向け衣料品ネット通販などの本業とはあまり関係のない赤字企業を次々と買収しています。
まさに、買い物依存症のごとく企業を買収しまくって、ライザップグループは買収が趣味の企業へと変わってしまったのです。
現在では、買収を凍結して、業績不振の企業を改善・事業縮小する方向へ転換しています。
見せかけの数字に騙されるな
ライザップの問題は、「負ののれん」によって利益として一括計上することで見せかけの数字を作っていたことです。
表向きでは業績がよさげに見えていましたが、中身はスカスカだったのです。
株式投資をするうえで注意することは見せかけの数字だけではなく、企業の本質であるビジネスを見ることです。
企業のビジネスを見極めることこそが重要なのです。
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