佐藤 祐(さとう ゆう)です。(@TSUMITATE_NISA)
現在、アメリカでは現代貨幣理論(MMT)という経済理論が話題になっています。
英語では「Modern Monetary Theory」と表現され、1980年代から提唱され始めた理論です。
現代で使われている不換紙幣、つまり円やドルを自国通貨として発行している国の財政に用いられる理論であることを前提にこれから紹介します。
現代貨幣理論は端的に言うと「赤字財政なんて当たり前だからもっと財政出動しても大丈夫だぜ!」って感じの理論です。
これにはアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)議長のパウエル氏や投資家のバフェット氏も否定的なのですが、一部の人達からは支持されています。
経済界の主流派の人達からすると「何言ってんだこいつ」ってなるような理論ですが、僕個人としては、国の財政はそもそも財政健全化を目指しても全然健全化してないことからして、現代貨幣理論は一理あるのではないかと考えています。
目次
国と企業はそもそも構造が違う

まず、国と企業では債務についての考え方は別ですよね。
そもそも、国の財政は健全化を目指していると言っても、日本では来年の予算は101兆円以上になり、はじめて100兆円を超えました。
また、新規赤字国債も30兆円ほど発行しており、財政健全化とはいったい何なんだ?という状態になっています。
もし、国が財政健全化を本気でやって、黒字化を目指すとなれば、予算はガンガン削られて、社会保障費などがすごい削られるはずです。
もしかしたら、増税することも考えられますが、そうなると国民の支持が得られないし、生活が成り立たなくなる可能性もあります。
単純に考えて、国が企業のように黒字運営をするのは基本的に厳しいです。
サウジアラビアやカタールのように資源で国民暮らしを支えることができる国はできるかも知れませんが、ほとんどの国では黒字運営はほぼ不可能です。
そうなると、政府の言っている財政健全化とは「できるだけ赤字を減らそう」というものであり、赤字をなくすことはほぼ無理です。
企業であれば、無駄をカットし、利益を増やして、企業の黒字化が当たり前ですが、国がそういうことをすると、そもそも国は成り立ちません。
国というのは、赤字を垂れ流してもいい存在なのです。
政府は通貨の発行権を持っている

政府は、通貨の発行権を持っているため、自国通貨として国で流通させることによって国民が通貨を使い、納税や消費などの経済活動をするとその通貨に信用が生まれます。
日本は、GDP(国内総生産)比の政府債務残高がおよそ240%であり、アメリカの103%と比べても、先進国のなかでもかなり悪いとされていますが、日本で財政破綻やハイパーインフレという可能性は現在のところ、限りなく低いと考えられます。
現在の日本ではデフレが長期にわたって続いていることを考えると、インフレにすらならない国でハイパーインフレを心配するのはちょっと無理があります。
現代貨幣理論では、いくらでも財政出動しても大丈夫というわけではなく、課税や就労保障プログラムでインフレ率を調整することで、うまくいくとしています。
つまり、課税によってインフレが行き過ぎないようにし、さらに公的雇用によって仕事を与えることでインフレや失業率もコントロールすることができるとしているのです。
現代貨幣理論がポイントとしているのは、インフレ率であり、インフレ率が正常であるならば、できるだけ財政出動してもいいのではないか?と提言しているのです。
政府が不換紙幣として、お金を刷ることは事実上、無限にできることから、コントロールすれば今よりもいっぱい刷って財政出動しても平気やろ!っていうのが現代貨幣理論です。
現在の主流派では、不景気のうちは赤字財政でも仕方ないけど、長期的には健全化しないといけないだろ!という考え方が、一般的です。
現代貨幣理論では、不景気だろうが、好景気だろうが、コントロールしていけば、赤字財政でもいけるぜ!という考え方です。
どれが正しいかはハッキリとしない
経済の理論っていろいろあり、どれが正しいかは実際にやってみないとわからないものです。
あくまでも、理論であって、実際の経済は理論通りには進まないことは過去に証明されています。
マルクス経済だって計画通りにいかないし、アダムスミスのように勝手に市場が正しい方へ向かっていくこともありません。
経済学の理論は、理論であって実体経済とは違った動きをするのが普通です。
あくまでも、こういう考え方もあるんだな~程度で考えた方がいいのではないかと僕は考えています。
まあ、日本政府の財政健全化ってあんまり効果なさそうな感じしますけどね。
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