アルトリアグループとフェリップモリスが合併したらスピンオフした意味なくないか?

佐藤 祐(さとう ゆう)です。(@TSUMITATE_NISA

米たばこメーカーのフィリップ・モリス・インターナショナルとアルトリア・グループが合併に向けた協議を終了し、結局、合併しないことになりました。

フィリップ・モリスのアンドレ・カランザポラス最高経営責任者(CEO)は25日に声明を発表し、「協議を重ねた結果、煙のない未来を実現するという共通の関心の一環として、両社は米国での(加熱式たばこの)アイコス(iQOS)の立ち上げに注力していくことで合意した」と述べた。

これとは別にアルトリアの最高戦略・成長責任者を務めたK.C.クロスウェイト氏は同社を退職し、電子たばこメーカーのジュール・ラブズのCEOに就任。ケビン・バーンズ前CEOはジュールを退社する。

引用:フィリップ・モリス、アルトリアと全額株式交換での合併で協議中

また、この動きとは別に、電子タバコ「JUUL」のCEOが退社し、アルトリアグループから新しいCEOを迎えることになりました。

 

アルトリアグループはフィリップモリスを2008年3月にスピンオフしており、別々の企業として上場しています。

 

どちらもS&P500指数に入っています。

目次

スピンオフした意味とは

2008年3月にアルトリアグループからタバコの海外事業を行っているフィリップモリスをスピンオフしています。

今回の合併案件は、分離させたものをまた元に戻すということなので、また元通りになるということです。

 アルトリアは約10年前、高配当や自社株買いの拡大を望む米投資家の圧力に屈する形で、海外たばこ部門のフィリップ・モリスをスピンオフ(分離・独立)させた。またこのスピンオフは、当時喫煙を巡る訴訟で米国内事業が減速する中、より成長の速い海外事業を切り離す方法としても注目された。

引用:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-08-27/PWWDN4T0AFB401

今回の合併は、電子タバコの「JUUL(ジュール)」が大きく関わっており、「JUUL(ジュール)」のおかげで合併が中止になったと考えられています。

 

今後、加熱式タバコについては、共同でやっていくようですが、電子タバコのほうは難しい状況となっています。

すでに、インドでは電子タバコが禁止されており、電子タバコに対しての厳しい目が向けられています。

 

アルトリアグループが海外たばこ部門のフィリップ・モリスをスピンオフすることで、より良い経営ができると考えて行ったため、今回の合併案件は、逆に合併させたほうがメリットがあると考えての、協議となります。

今後は加熱式タバコに集中?

日本では、加熱式たばこ「アイコス」で月額定額制プランが登場するというニュースが出ており、今後しばらくは加熱式たばこ「アイコス」での成長を目指すと思われます。

フィリップ・モリス・ジャパン(PMJ、東京)は25日、毎月定額の料金を支払えば、加熱式たばこ「アイコス」ブランドの喫煙器具(デバイス)を使えるサービスを始めた。合わせて、14日間の無料レンタルサービスや充電時間が短い最新デバイスも発表、紙巻きたばこからの移行を促し、顧客囲い込みを狙う。国内加熱式たばこ市場で540万人の顧客を抱えるアイコスが、さらなる新規顧客の獲得へ動き出した。
新サービスの「アイコス定額プラン」は選ぶデバイスの種類に応じて、月額税込み料金630円、900円、1350円の3種類を用意。契約期間は1年で、この間は故障や破損も最大3回まで無償交換する。契約満了後はデバイスの返却の必要はなく、使い続けることができる。3プランとも利用11回目の支払いでデバイスのメーカー希望小売価格とほぼ同額となる。

引用:加熱式たばこ「アイコス」で月額定額制プラン PMJ

今後も続くであろう、たばこに対する逆風にどのように対応していくか注目したいところです。

 

そんじゃ、また明日。