佐藤 祐(さとう ゆう)です。(@TSUMITATE_NISA)
大麻(マリファナ)の娯楽使用が合法化されるトレンドが世界で動いていますが、アメリカでは大麻に関する問題が増えているようです。
14年に全米で初めて娯楽用大麻を合法化した西部コロラド州では、大麻使用に絡む救急外来の件数が増加したことが、今年3月に発表された米医学誌の論文で明らかになった。同州のある病院を調査したところ、12年には大麻が原因とみられる救急外来数は約250件だったが、16年には750件以上と約3倍に増えたという。論文では、クッキーやキャンディーなどの「大麻入り食品」の危険性も報告されている。
また、大麻の合法化論では、犯罪者が闇市場から利益を得るのを防ぐ効用が挙げられることが多いが、18年に合法化したカリフォルニア州の場合、現在も約8割の大麻が闇市場で流通しているとされる。大麻販売を認めていない地域が多いうえ、税金が高額で想定されていたよりも正規の取扱店が少ないことなどが理由とされる。昨年は大麻からの税収が想定を下回ったとされ、合法化の意義が疑問視されている。
出典:https://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/190603/wor19060309470004-n2.html 産経デジタル
アメリカでは最初に合法化したコロラド州では解禁後に大麻に関連しているとされる患者の救急外来への件数が解禁前の2012年と解禁後の2016年では約3倍に増えているという発表がされました。
これは、大麻の解禁は大きな問題にはならないと考えている人にとっては厳しい結果となります。
大麻の娯楽使用を支持している人の多くは大麻には多くの人が考えているほど害はないという理論で解禁を推進していますが、実際に大麻による健康被害が増えれば、この理論は通用しません。
さらに、大麻の使用を認めることで闇市場での流通を抑制し、大麻への課税により税収を上げることできるという論も解禁された後でも大麻の8割が闇市場で取引されており、正規のルートでの取引が少ないことが分かっています。
つまり、これまで言われていたような大麻に対しての楽観的な考え方とは逆の現状となっているということです。
大麻の合法化に賛成する側にとっては不利な内容であり、反対する側にとっては追い風になる内容となっています。
すでに、年内の合法化を目指していたニュージャージー州では法案の可決を断念していることから、合法化への流れは鈍化すると予想されています。
大麻による税収の使い道でも、黒人やヒスパニックといったマイノリティへの支援に使うことを推進している人と公共施設への投資に使うことを推進している人が対立するなどの問題もあり、大麻の娯楽使用合法化をめぐって様々な議論がされているのです。
しばらくは様子見?
現状としては、大麻は今までと同様に危険なクスリという認識が多くの人に根付いており、反対する人が大勢いる一方で、「ミレニアル世代」(1981~97年生まれ)と言われる世代では7割以上の人が合法化に賛成しているという結果も出ています。
アメリカでは違法とされていながらも日本のように厳しい取り締まりをしている感じではないので、大麻は黒に近いグレーゾーンと言えます。
つまり、アメリカでの娯楽用大麻合法化の動きは、合法化して「白」にするか、今まで通り「黒に近いグレー」状態にしておくかということになります。
日本では基本的に大麻の娯楽使用は「黒」なので、アメリカと同じ視点では語ることはできないのではないでしょうか。
日本でも娯楽使用の合法化に賛成する発言をする人がチラホラといますが、現状ではかなり厳しいでしょうね。
実際に、アメリカでは思ったよりも良い結果が出ていないので、日本では合法化はないと思われます。

娯楽用大麻の合法化はまだまだ問題があるね。
そんじゃ、また明日。