佐藤 祐(さとう ゆう)です。(@TSUMITATE_NISA)
モトリーフールで成長株として紹介されているiRobot(NASDAQ上場、ティッカーシンボル「IRBT」)は日本で知名度のあるお掃除ロボット「ルンバ」を製造している米国企業です。
iRobotには大きな市場開拓余地があり(たとえば、掃除機ロボットはまだ高級掃除機市場の約23%しか占めていません)、同社には大きな成長余地があります。
芝刈りロボットの投入に取り組んでおり、その他の新たな市場でもロボットを準備しています。
ウォール街の過剰反応を見越して、iRobotのファンダメンタルズに着目できる投資家にとっては、現在の株価水準においてiRobotは優れた成長株と考えられます。
引用:モトリーフール
今年の株価の動きは決算が予想を下回ったことにより、大きく下がっていますが、それでもポiRobotの株価は年初来で見た場合、26%の下落にとどまっています。
過去1年間では47%下落し、そして4月に達成した史上最高値から52%暴落しています。テンシャルを秘めている銘柄として注目されています。
現在、iRobot株のバリュエーションは魅力的に見えます。
時価総額が17億ドル、GAAP(米国一般会計原則)ベースの調整後純利益が8700万ドルで、実績PER(株価収益率)は19.8倍です。
S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスによれば今後5年間で年率20%の増益が見込まれており、株価は適正と考えられるかもしれません。
問題なのは、iRobotのキャッシュフローに注目すると、過去12か月間で実際の現金利益はわずか3400万ドルだったことです。
これは、iRobotの純利益8700万ドルの半分にも満たないものです。
つまり、純利益ではなくフリーキャッシュフローで評価すると、株価は2倍以上も割高ということになります。
iRobotのフリーキャッシュフローは、過去2年半の間に悪化しています。
確かに、このフリーキャッシュフロー減少の一部は中国の関税問題によるものですが、その悪化傾向は関税問題よりも前に始まっています。投資家は、関税だけに焦点を当てるのではなく、高品質の競合製品を低価格で提供しているライバルとの競争激化に注目する必要があります。
米国の非営利消費者団体が発行するコンシューマー・レポートは昨年、ロボット掃除機のトップ10を公開し、4つのルンバがランクインしましたが、トップ3には一つも入りませんでした。
ルンバより低価格の人気商品が増えていることから、ロボット掃除機に関してiRobotの問題は悪化する一方と考えられます。
引用:モトリーフール
iRobotの株価が大きく下がったのは、過度に期待された分が抜けたためだと考えられています。
iRobotなどが属している人工知能分野は、大きく期待される分野ですが、実態がわからないままに、期待だけがふくらみ、株価が実際の価値よりも高くなる可能性が高い分野です。
そのため、株価が高騰しやすく、冷めやすい傾向にあります。
人工知能、AIの分野は一般人でもわかりにくい分野であり、実際の価値を正しく見極める能力が求められる分野なのです。
iRobotの株価は上がる?
iRobotはお掃除ロボット「ルンバ」のブランドがあり、知名度があります。
掃除ロボットならルンバということで、ルンバを選んでいる方も多くいると思いますが、今後ルンバと同等の性能で安いものが出てくるとルンバの優位性やiRobotの企業の価値が損なわれる可能性は十分にあります。
今後、掃除ロボットの競争が激化し、iRobotがさらに成長できるかどうかが注目されています。
iRobot(NASDAQ上場、ティッカーシンボル「IRBT」)については、モトリーフールで詳しくさらに詳しく記事で取り扱われていますので、興味のある方はそちらもご覧下さい。
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